■ウォーリー 映画 TV
ディズニーの大作「ジョン・カーター」で、SFの古典的名作「火星のプリンセス」を実写化し、注目を集めたアンドリュー・スタントン監督。このアニメでは、ロボットの愛と冒険の物語を、温かく、どこか懐かしいタッチで描く。
舞台は29世紀、ゴミだらけの廃虚と化した地球。人類はとうの昔に宇宙に脱出し、取り残されたゴミ処理ロボット、ウォーリーは、700年間、孤独に働いてきた。が、ある日突然現れたぴかぴかの美しいロボット、イヴに恋した瞬間から、単調な毎日は一変する。
まず驚かされてしまうのは、まるで無声映画のような趣の序盤。ロボットの胸の内を、動きと単純な機械音だけで表現してしまう。宇宙に築かれた壮大だがむなしい人間世界の描写も圧巻だ。ピクサーで長年活躍してきたスタントンは、映画の歴史のエッセンスをさまざまな形で取り込みながら、アニメの可能性を広げてみせている。(読売新聞より)